my favorite gateway──絵画的散歩道

2017年09月21日 07:19

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林間の散歩道は
コーヒーショップへ向かう道であると同時に
遠い記憶の場面に続く道でもある。
とは、キザな言い回しに聞こえるかもしれないが
実際、この道を歩いて出会うのは
あちこちの山で見たさまざまな情景だ。

とりわけ悪天の日は格別だ。
方々の山で豪雨や風雪にやられたときの記憶が甦り
危機感や絶望感まで鮮やかに再生される。
あんなにも打ちひしがれた場面ではあるが
こんなところで思い出しては
得難い経験をしたのだと今さらながら思う。

さて、このコーヒーロードの風景を
僕はいつどこで、どんな思いで
追憶することになるのだろう。























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in the typhoon area──備えあるも憂いあり

2017年09月19日 17:44

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まだ完成もしないうちから
木っ端微塵にされはしないかと
台風情報には神経をとがらせていた。

指宿の棟梁は
九州南端レベルの台風を想定して
このままでは風で持って行かれると脅したが
アドバイスに従って九州スタンダードの風対策をした。
その甲斐あってか今回は事なきを得た。

とはいえ、今回のタリムの進路が東にそれて
新潟に吹いたような烈風攻撃を喰らっていたら
あるいは棟梁の見立てどおりになっていたかもしれない。
当地には近年冬の爆弾低気圧の爪痕も生々しいし、
いずれにしても強風対策は
完成までにしっかりと講じなければなるまい。

こうしてつくづく眺めてみると、
なんとも華奢な小屋であることよ。












with the setting sun──巻機山の夕焼けに思い馳せて

2017年09月19日 07:30

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新潟の夕陽もそれはそれでみごとだが、
当地の夕焼けはいつもダイナミックで息を呑む構図だ。

若い時分にあちこちの山で見た夕陽や夕焼けを思い出す。
不思議とそのどれもが一人で見ていた印象がある。
単独行の時こそ感性が研ぎ澄まされ
視界が天空に向いているということかも知れない。

デジカメを持って広場に駆けて行って
刻々と変化する色彩を撮り続ける。
まもなく当地の夕焼けの季節は終わるが
厳冬期になると今度は東の空の朝焼けがみごとになる。
いつも氷点下の広場でシャッターを切りながら
写真では再現できない色を残念に思う。

その色を表す何か的確な言葉はないものか、
それもみつけることができず口惜しい限りだ。

2016年12月の朝焼け























at the bay-window door──窓外には樹海

2017年09月18日 08:58

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我が山荘は中古で手に入れたとき
前オーナーの強いこだわりが色濃く残っていた。

そのこだわりの多くには共感を持っているが
それでも室内照明器具は全て
好みのアンティーク照明に付け替えたし
あちこち手を加えて新たなこだわりを加味している。

玄関ドアは嗜好というより、
明かり窓のまったくない玄関の暗さが問題で
ずっと改善策を考えていた。
なにしろ、昼間でも照明を点けないと履き物が見えない。
さしあたってドア上部の壁に窓を設け
ステンドグラスを嵌める計画で進めてきたが
2年ほど前にイギリスアンティークのドアを見つけて
たいそう気に入ってこれに付け替えることにした。
ペアガラスのベイウィンドウの窓がついた雰囲気のあるドアだ。

しかし、かなりの重さのため
建物に無理な負担をかけないかと心配だったのと
二回りほどサイズが違うという点で
一度は大工さんなりの意見も聞いてからと
その機会を待って温存してきた。

今回、指宿の棟梁が快く引き受けてくれたので
この付け替え工事だけはセルフビルドではなく
プロにお任せすることにした。
棟梁は、現場をみると即座に
うん、これなら1日でできるなとうなずいた。

言葉どおり、夕方には重量級のドアは
しっかりと歪みや軋みもなく玄関に取り付けられた。

あり合わせの道具と部材だけで、だ。
さすがだ、みごとだ。

ロンドンのパブで
さまざまな人々の出入りを見つめてきたドアだ。
玄関内が明るくなっただけでなく、
建物全体の印象もずいぶん変わって見える。
またひとつ、山荘は新しいオーナーのカラーに塗り替えられた。





















the saber by my right-wing──蒐集の遁辞

2017年09月02日 09:36

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錆だらけで投げ売りされていたグリベルのピッケル。
もうピッケル収集はやめたので
目を逸らそうとしたが
このピックの形状はかなりの稀少品で
この先二度と巡り会えまいという思いと
長さや重さが実に合目的な造作から
実用品として買い求めた。

いま時のピッケルはアイスウォールを登攀するための道具で、
喩えればビッグフィッシュとファイトするためのタックルだ。
いや、難癖をつけているわけではない。
時代は変わってしまったのだ。

僕のピッケルはといえば
半世紀前のまま、変わらず縦走用のオールドスタイルのままだ。

岩壁や高峰よりは
深い藪や高層湿原を彷徨うことが好きで
冬も氷壁ではなく深雪をラッセルして樹林に遊ぶ。

だからピッケルは縦走用のオーソドックスなものを愛用してきた。
トレッキングポールやスキーのストックも使ってはみたが
やはりこのクロム・モリブデン鋼の重みと
ウッドシャフトの質感が手にしっくり馴染む。
歳を重ねるとかえって重いピッケルの方が頼りになる。
よろけた身体をしっかりと支えてくれるのだ。

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丹念に磨き込んでやると
往時の輝きが甦った。
クールマイユールのグリベルよ、
末永くよろしくな。










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